【日本の立ち位置と、今していること】

 日本の国際的なランキングをREN21のエネルギー世界白書で見れば2012年末では次のような状況である。

 世界5位までのランキング表で、日本はどこかと探せば、太陽光発電、地熱でやっと5位で登場する。あるはずとおもって、国民ひとり当たり・・・の条件をつけたら、逆に上位5位までには日本の姿はない。世界の10指に入るとされる豊かな日本の再生可能エネルギーの賦存量に比べて、日本人は世界をリードするどころか、3.11を経験した国だからやるべきなのに、実態は熱心ではないのである。

今日本がやっていることは

7/31の日経紙には、内閣官房の情報として、太陽光発電のコストを2020年に14円/KWhを目指すとある。政府目標として2030年に同じコストを7円に下げることを長期目標とすると記されている。 あまり読みたくない記事だから小さいままに添付した。
 あまりにもこれが太陽光発電技術で世界をリードする国の現状であろうか。
 「トップから周回遅れ」と感じたのもやむ得あるまい。
 ちなみに現在でも、石油火力より石炭火力が安いのも世界の常識となっている。

 ⑤シェールガスを始め、石炭、LPGなどの化石燃料からウランまで、世界中から資源の長期確保に走っている。買いたたいて契約ができて良しとするが、買うこと自体がこれからも資源国に翻弄される原因であり、それ自体が敗けなのである。

 ⑥低炭素社会の実現に関しては、日本は正式に努力目標を下ろしている。国際的地位は下がるのが当然である。技術で国際貢献と日本が言っても、相手国は当惑するであろう。その技術は自国の低炭素化のためにまず使わなくてはならない

 ⑦再生可能エネルギーに関して言えば買い取りを数年前に決めた手厚い単価で始めたくらいである(「ドイツの轍は踏まない」とエラそうに言うひともいるが、失礼であろう)

 ⑧唯一の電力網に不可欠な蓄電装置も全くない。技術から言えば、住友電工さんのレドックスフローには期待ができるかもしれない。送電が分離される(それも国会の会期末で廃案というおそまつさ)のが前提であるから、送電に投資する電力会社がないのは当然であろう。

 ⑨メガソーラや、洋上風力、地熱、バイオマス等ほとんどの大型案件は商社を中心に海外で投資されている。国内に本当のノウハウは残るのだろうか?事業者がえり好んで、海外に行くわけでもない、なぜ国内で投資できないのか考えればすぐに理由は判る。

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