【世界で今起きていること】
再生可能エネルギーの世界では、「日本の存在感はどこにもない」。各国の中で、日本の順位は「周回遅れ」のグループだといったら、大抵の日本人が「ウソー」というであろう。
国際的に専門なブルームバーグの調査や、日本の経済紙の最近の数字を見ても、コストが高くて不安定とされても、導入のしやすさで先行した太陽光発電では、先進国などのKWh当たりのコストは10円前後を達成している。(風力は6~7円)
7/12の日経紙によれば「パネル価格低下で、電力購入者側の利用意欲は喚起できる。ドイツでは発電に伴う実勢価格にあわせ買い取り価格を下げた結果、事業用の買い取り価格が火力発電など通常の電力系統から購入するより安くなった。また発電装置など導入コストが下がったことで一般家庭の屋根での設置が増える見通し。大規模な電力網に依存しない電源が増える環境はできつつある」・・・原文通り
①そのスケールにおいても2012年のドイツでは再生可能エネルギーが21.1%と原子力(16.1%)をすでに越えている。買い取り制度(FIT)のジレンマは指摘されるが、大切なことは発電コストが下がる事と、電力会社の参入が増えれば「自産自消」とまで行かなくても、「安い電力が増える」という経済原則が達成される。豊富な石炭が脱原発を担保すると言われた石炭火力よりも太陽光がコストにおいて下回った。彼の国の人たちには、妄想ではなく、2020年のゴールがすでに見えてきたといえる。
②北欧においては周知のように風力(特に洋上)のコストが急速に低下している。タービンの競争で価格が大幅に下がったのも理由とされている。総再生可能エネルギーの比率ではドイツより大きな実績を達成している国もある。
③2012末総容量で中国では太陽光では世界4位だが、風力では世界1位で、これはだけでも石炭火力、原子力よりも大きい。2012年の再生可能エネルギーへの投資額は677億ドル(6兆円余)で世界一(日本は200億ドル未満)である。さらにシェールガスの埋蔵量でも中国が世界一である.にもかかわらずなぜ再生可能エネルギーにこれだけの投資をするのか。大半の日本人は認識もしていなければ、理解もしていない。
④シェールガスで浮かれているはずの米国は、いつの間にか、2012年末総容量で風力は世界2位、太陽光発電では世界3位を占めている。トップクラスの米中が再生可能エネルギーで提携すると発表されたのも記憶に新しい。