宇宙船地球号のために         サイトトップへもどる

「宇宙船地球号のためにヒトは何を成し遂げるべきか」

     ----コンテンツ----

*はじめに

*地球に対する見方が変わった

*地球の表層で起きていること

*エネルギーを自前で確保が、自立する國のライフライン

*化石燃料の地球温暖化;負の側面が顕在化した

*温暖化と人為的な温暖化ガスとの関連

*そして「省エネ」の意味は

*別の事実のデータに着目してみた!

*このデータは何を意味しているのだろうか?

*化石燃料を、どこでも手に入る再生可能エネルギーとチェンジ

*再エネ100(再生可能エネルギー100%)を地球に残す

 

はじめに

 また戦後73年目の夏が来た、明治から数えても150年が経つ

よく言われるように、21世紀になって、特に変わりはない。

不況を乗り越え安定成長というと、聞こえが良いが、時代に勢いがない。

 あえて探すと、科学や医学などの世界では、革新的と言われるものがある。

モノではないが通信技術とか、コンピュータでの映像検索とかはいつのまにか

生活を変えている。文化を変えているのかも知れないが・・・

古来、この島国に棲みついた日本人から、引き継ぐべき良き文化は衰退している。

 

 それどころか今年の夏ように、年ごとに、いつまでも酷く暑かったり、おまけは

北海道大雪山での降雪新記録は1ヶ月も早い8月16日・・・

居座り豪雨で氾濫や、台風が手をつないできたり・・・もうゴメンである。

異常気象が引き起こした災害に、支払われた損害保険だけでも数千億円という。

生活の質(QOL)までの低下は、どれだけの損壊になるのか、当局も計量しない。

代わりにエイヤッとやると、今年のこの夏までの損失は10兆円くらいであろう。

 

 衣食住とかモノづくりや交通など、暮らしの部分では、ほぼ在来の延長である。

あまり感動も無く、私たち戦後世代は、ともかく平和な世界で無為に暮らしている。

少し前の世代の方達は、あの戦争に巻き込まれていったのだ。お盆に特集される番組を

見ると映像化された歴史は雄弁だ。、「おかげさまで・・」とつぶやている自分に気付く。

ただ先人に感謝するだけでは申しわけないし、終活などする気?はない。

おくればせながら、生きている証に、なにか「カタチあるモノ」を後生に残したい。

 

地球に対する見方が変わった

 このごろの自分には、「カタチあるモノ」の対象があり、それが「地球」である。

「グローバル化」は日常化した。そうでないと時代遅れのように言われるが

それは「経済的欲求」の達成手段で、「自立出来ない」からの他国(よそ)頼りだ。

自分が考えているのは、世界でなく、あのまさに「球体」の地球のことだ。

 小学生の頃は、とてつもなくデカくて、全貌は見えない「無限大」が地球だった。

笑えてくるが、「世界」と「地球」はどちらが大きい??とか、子供同士で論争して

いたような気がする。(TVはもちろんなかった)

 人工衛星が身近な日常になり、衛星からの写真で地球を見て「地球」が変わった。

そのイメージが頭にインプットされると認識は変わる。

 中でも強く変わってしまったのは、地球は「無限」ではなく「有限」になった。

衛星から写した地球に、雲が貼りついていたのをみると、雲のサイズが縮尺代わりで

地表の広さの見当がつき、この球体を身近にいとおしく思った。

 

 もともと自然が好きで環境保全に関心を持ち、20年ほど前にボランティアで

始めたのが間伐であった、伐採した木を林内に捨て置く(林内残置)がいやで、

「バイオマス活用」への関心が高まっていった。

それが高じて、企業人終了後に始めた個人の技術事務所の仕事は、環境の保全と

エネルギーの自立化・ソリューションの調査研究と、両面があった。

 

地球の表層で起きていること

 今でもちょっとした山に登のぼるが、雲が足元より下にあるのは珍しくない。

今年の夏の白馬では、雲よりも高いところで、トンボがホバリングしていた。

      トンボがみえますか?

 

国際線のジェット機に乗れば、高度8000mから上はなにもない。

(大気圏というのは1万2千メートル付近までだという)

 

 そんな地球の表層で、世界的な課題になっているのは、「温暖化」すなわち

「温暖化層」の増大と、その影響への対策である。

話題の主役の関係は以下のようになる。

 環境省 国立地球環境研究所 資料による

 

 

 エネルギーを自前で確保が、自立する國のライフライン

 冒頭の明治維新以来の話しにもどるが、簡単に言えば、二度の大戦を経て、

世界の騒乱や戦争が続いた。

 現在大国間で進行中の貿易戦争も、関税を合意無しに上げると言うことは、

宣戦布告の無い事変のようなものだ。昔も今も、国際協調のタガが緩んだ中で

大国のエゴイズムがぶつかりあっている。

  それだけではないが、大きな原因は「エネルギーが一部の地域に偏在する」だ。

取り合いが、覇権争いの手段に使われ、世界規模で騒乱が続いているのだ。

 

 エネルギーが衣食住や移動手段とかの、生活の根源的な部分を担保することは

よく知られたことである。

 近代の歴史では、膨張する日本がはまり込んだ、満州事変~太平洋戦争も

エネルギー(≒石油)と食糧(≒耕せる国土)の確保が根底にあった。いつのまにか

マスコミまでも「満蒙が日本の生命線」とした。その活字を今でも覚えている。

 

 仮説としてもし「エネルギーがどこでも容易に手に入る」ことになれば

エネルギーは遍在化する」となる。そして「金持ちケンカせず」の原理が働く?

食糧生産にエネルギーを投入すれば、面積あたりの生産性は上がる。

つまり「偏」→「遍」と一文字変わるだけで、「自立」にとって大違いなのだ。

 

化石燃料の地球温暖化;負の側面が顕在化した

 ところでエネルギーは、昔も今も、石炭→石油→ガスという変遷はあるが

いずれにしても化石燃料が主体である。(核分裂、核融合については別にのべる)

 そもそも化石燃料は、産業革命と同期して、大量消費が始まった。

それにともない様々な環境面での影響が目立ち、いろいろな規制がはじまったが、

併発する二酸化炭素(CO2)は太陽光の赤外線放射を直接受け止めたり、放射したり、

水蒸気量とも連動したりするクセモノなのである。

 

 1995年に政府間パネル(IPCC)の第一回目の締約国会議(COP1)が

ベルリンで開かれ「温暖化ガス増加が気温上昇をもたらす可能性」が指摘された。

 3回目のCOP3は1997年京都でひらかれ、議長国が日本だった。

長期にわたる気象変動が資料化されだした。20世紀になってからの温度計測は地点や

精度があがり、信頼性も高まる。

 

 

10世紀(=1000年)間のスパンでは20世紀から北半球の昇温は明かだ。

昇温カーブが右肩上がりになるのは、産業革命の時期とかなりよく重なる。

1900年くらいから欧米で重工業や大量生産(第2次産業革命)が始まる。

そのころから化石燃料の使用増と、温暖化ガスが増えたことが相関する。

このために、現在では人為説と自然説と分けて、人為的温暖化ガスと言われる。

 京都議定書の頃は温暖化そのものの有無や、中でも主犯とされたCO2に対して

懐疑論もあったのは記憶している。

私は今でも「温室ガス排出権」なるものが売買の商取引対象になるのは納得しがたい。

(エネルギー)先進国と新興国の間の不平等感もあった。

 

 しかしこの会議は地球上のほとんどの國が参加することになり、様々な議論を

乗り越えて、挫折せずにたどり着いたのが2015年のパリ議定書である。

京都からパリの間を人間は15年もかけて、一つの方向にまとめてきたのだ。

 国際連盟のころの世界とは違う。人間は進化したのだと思う。

その一つの理由は情報通信の進歩から、地球上で映像が同時に情報共有可能となる。

 

 その間に学術研究や、査読済み情報の公開などが進み、懐疑の余地は減ったと思う。 

地球にとって初めてのことかも知れないが、先進国や新興国が歩み寄って

2015年のパリ協定がまとめられた。参加国にとって拘束性のある、達成数値を

決めることになったのは記憶に新しい。(離脱した大国もあるが・・・)

 

 国際目標数値としては、非化石燃料への依存比率を、どこが下限か決まった。

2030年で50%以上、2050年で80%以上が決まっている。

エネルギー先進国では2050年で100%(CO2ゼロ)を掲げる国もある。

 

 日本については、私は2018年のエネルギー情勢懇話会を傍聴できた。

2030年までは現在のエネルギーミックスで複線方式の総力戦で達成とされた。

私は2030年までに、新しいテクノロジーの追加が必要と思っている。

2050年目標の達成はそれ次第だ。

不確実性は残るが不可能の意味ではない。非連続な革新をとなえた環境省を

支持したい。 

・廃熱(使われない熱)の利用技術

・エネルギー・キャリヤー(水素・アンモニアなど貯留・運搬出来る燃料) 

・炭素循環 など それについては別の機会に説明したい。

 

温暖化と人為的な温暖化ガスとの関連

・温暖化に直接的に関わるのは、水蒸気とか、日照量とか、動き回る「雲」の

 影響度は大きい。海面や、貿易風のような風との連動もある。

・温暖化ガスの中で、CO2は人為的に発生した量が大きくて、温暖化との関連を

 否定することはできないようだ。

・定量的な判断材料はすくないが、環境省の国立地球科学研究所の資料には

 下記の資料がある。

 

 「CO2濃度増加は人間活動が原因である一方で、

   これによる気温上昇を増幅するしくみは自然の都合で決まってしまう。」

 

・マスコミの解説的資料として日経紙(2018/08/17)の表現を引用すると

「進む温暖化、異常気象に拍車」

 「2040年に1.5℃高く IPCC予想」

「動植物の絶滅加速も」

 「温暖化に対するIPCCの確信度として最新の数値は95%」

とのことである。

 

 

気象条件としては地球の表面が決して全体均一ではないし、局所的な現象が普通。

しかし時間軸を少し長くとれば、トレンドで要因を特定はできそうだ。

ただ定量的な推論というのが、出来そうで難しいために「懐疑論」がでてくる。

 

 地球を取り巻く温暖化層はまったく無ければよいものでもないらしい??

環境省の地球環境研究所では基本的な部分を解りやすくこんな説明をしている。

温暖化ガスとしての寄与は水蒸気が48%、CO2は≒20%を占めるとされる。

温暖化ガスのふるまいについては以下の資料がある。

 

----------以下部分引用-------------

(環境省の国立環境研究所の計算では)大気に「温室効果」がなければ

太陽からのエネルギーを受け取り、それとつり合うエネルギーを放出するので

結果として地表は-19℃となる。

しかし現実の地表では平均気温でおよそ14℃になる。

--中略--  何となく納得しそうな(*^O^*)比較例として

金星はCO2を主成分とする分厚い大気の温室効果で、-50℃になるはずが、

およそ460℃になっている・・・・  なるほど

----------以上引用終了-------------

 

 この方江守さんの文章は2010年の情報だが、現在も変えていない。

江守さんの見解に関しては前掲の日経新聞にも、記者の紹介がある。

記事の終わりで「これ以上の温暖化を防ぐためにはCO2排出をゼロにするのだが

・・・難しいようだ」と江守さんは言っているが・・・・

 

 私は温暖化現象は典型的な「複雑系」の対象だと思っている。

シミュレーションや実験が可能になると思う。最近でもまたカミオカンデのような、

大規模で辛抱強く実証する人がいる。温暖化はキチンと整理すればできると思う。

 

 温暖化の理解を複雑にしているのは、およそ10万年サイクルで起きた、

「氷期-間氷期」とよばれる現象である。地球の自転軸や公転軌道の周期的な

変化によって、日照量の変化をもたらしたことによる。

 それ以外では黒点の観測で知られる太陽活動の活発化で、宇宙からの電磁波

として、地震や、火山噴火などとつながる。

 

 そして「省エネ」の意味は

 細かいと思われるかもしれないが、1998年から10年間くらいは、

「CO2は増え続けたが気温上昇が鈍った」ことが温暖化の否定の根拠にされた。

CO2が大気中で分解される期間は、一酸化炭素(半年くらいで壊れる)より

はるかに長く、最長で2000年かかるという。・・・気象庁資料

要は一度増えたCO2は、自然の懐(ふところ)では簡単に修復されないのだ。

 

 一方でバブル崩壊→平成不況→リーマンショックの20年間はグローバルで

経済不況が続いた。経産省の生産統計でも、鉄鋼やセメント、機械など停滞する。

停滞とはいえ生産活動≒発熱源は、拡大はスローでもゼロになるわけではない。

ヒートアイランドでなく、マクロ不況が温暖化のスピードダウンに寄与する。

別な表現をすれば、「省エネは温暖化に対して有意」の実証にはなる。

実は日本の夏の電力事情は、今年のような酷暑でも今までのピンチは招かない。

必要なエネルギーの総量が、省エネで減り、再生可能エネルギーの稼働も援軍だ。

となると「省エネ技術で日本のエネルギー消費はピークアウトした」と世界に

アナウンス出来るかもしれない。

 

 「人為的な活動が温暖化の大きな変数になる!」と、納得しだしたきっかけは

その地球の大きさである。私たちの棲んでいる地球「宇宙船地球号」は我々が

今まで思っていたものよりずっと小さくて、人間のすることに対して、

意外にセンシティブなのかも知れない・・・と最近思うことによる。

 

 たとえてみれば、饅頭の薄い皮のような空間に対して、人間活動での温暖化を

加えたら、「自然がリカバリーできる限界」:「ライプニッツの予定調和」※を

越えてしまうかも知れない。「調和が神の手によって」となると説明が中世的で

少し気に入らないが、謙虚さを忘れた現代人にはそれでも良いかも知れない。

全てはこれからの地球船乗組員の努力であろう。

 

別の事実のデータに着目してみた

北半球の1000年間の気温データを見て、似た時間軸で気温以外のデータを

探してみた。見つけたのは宇宙船地球号の乗組員の数だった。

 

 

この資料の時間軸はアダムとイブ?の人類発生の時からだから、重ならないが

1800年以降なら、前掲の北半球の温度のチャートと重ねることができる。

 

 世界の人口は急カーブで増えている

一次関数ではないが、プロの先生なら近似式ができそう!

てっとり早く、まずもっと面白そうな、「産業革命の期間」で比較してみる

 

タイムスタンプ1 

 産業革命の始まり付近1804年の人口は10億人

 ・ここまでに≒1万年?かかっている

タイムスタンプ2 

 欧米ではじまった第2次産業革命の始まりの頃の1927年は倍増で20億人

 ・人口が倍増するのにたった23年である

 ・北半球の温度は、この辺りから急速に昇温を始める

タイムスタンプ3

 それから気温が≒1.2℃程上がったのは1999年頃でその時は60億人

 ・72年間で3倍の人口だから、サチったと思うべきか??

 

このデータは何を意味しているのだろうか?

 人口が増えたらどうなるか、暖房だけでは無い!それも薪炭では済まない

江戸時代なら日本は3千万人が暮らせたと言ってなんの慰めになるのだろうか

山をハゲ山にするだけでは済まない。人口数に比例しただけの燃料がいる・・・

今までそれを支えたのは化石燃料をヒトが地中から掘り起こしたからである。

 人口がこれからも増える?!

「まず、新しい産業が、地球上で生活できる人口を増加可能にした。

QOL(生活の充足)の向上もあったかもしれない。

しかしそれはエネルギーの多消費をともない、化石燃料がそれをささえたのだ」

 

 これからも化石燃料使い放題にしたたらどうなるのであろうか?

現代人は「〇〇ホーダイ」がお気に入り!・・・困ったモンだ。

CO2は増えるであろうし、自然のしくみで許容できる範囲はすでに非可逆の域に

達していないのだろうか?

 

 「バイオマスがあるさ」と言えるだろうか?

バイオマスも使えば、CO2は発生するのだ。

バイオマスは発電だけではなく、メタンも廃熱も全て使い切らなければならない。

バイオマスを放置して使わなければ、エネルギーで寄与せずに、地表でCO2を放散

「困ったモンだ」と言わなければならない。

 

 ローマクラブの先人が、化石燃料が近く無くなると言ったが、アレは間違い

だった!と、上げ足をとって、安心できるのだろうか・・・

 

化石燃料を、どこでも手に入る再生可能エネルギーとチェンジ

 私たちは我が身で感じた温暖化、異常気象の対策としてCO2削減を論じてきた。

それよりももっと大事なのは化石燃料自体の代替なのである。

再生可能エネルギーだけが宇宙船地球号の乗組員の生命を担保してくれるのだ。

何人までという数字こそ不確実だが。

 

 化石燃料に代って、どこでも戦争なしに手に入るエネルギーは不可能ではない。

100%代替できたら、自動的に人為的なCO2は増加ゼロになる。

残って余計なCO2は十分に「自然のしくみ」が減らしてくれるだろうか?

これまた不確実である。

 

 さらにCO2削減を、ゼロを越えてマイナス方向にすることも考えられる。

地中に貯留するよりも、もっと可能性の高い技術を投入しなければならない。

CO2をある条件で、温暖効果の少ない一酸化炭素COにかえることもできる

極端にいえばCO2をエネルギーに変える事も出来る。

テクノロジーで言えば、炭素循環等がこれにあたる。

ある条件というのは「熱」である。それなら矛盾(詭弁)かなと思うかも知れない。

そうではない!可能にする技術が生まれようとしている

これがそろいだすと本当の力強い「RE100」:再生可能エネルギー100%である。

 

「再エネ100」のしくみを地球に残す

 私たちがこの地球のために実現し残したいのが「RE100」のしくみである。

「再エネ100」といえば日本語になる。企業活動のためだけにやるのではない。

「エコノミック・アニマル」(エコなアニマルではない)である人間にとって

良いことが一つある。

 再生可能エネルギーは化石燃料より安くなりそうな実績ができあがりつつある。

理由は簡単で、ランニングコストの大半は太陽が払ってくれる。

だから自分が使うエネルギー代は自分で払う、地産地消といっても良い。

脱FITは進展できるかもしれない。

でもこれから炭素税が始まれば、脱炭素を加速する側面は評価できるかも?

 

 光も、水も、温もりも、川も、風も・・・全ては太陽のおかげなのである。

あまり言うと、私が新興宗教のヒトと思われるが、真実はそうだ。

太陽のエネルギーはよく知られているように、じつは「核融合」なのだ。

これについても別の機会に述べたい。

 

 

 

-----太陽と大地の恵みで 自立する国、日本を創ろう-----  

    2018/08/27     前嶋 規雄  (オフィス エム・ソリューション 記 

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