2015年6月23日 オフィス エム・ソリューション
資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し」に対するパブコミに意見提出をしました。
本稿は最近のデータを加筆したものです。 2015年10月31日 作成
そのポイントは次の3点である 。
再生可能エネルギー以外の発電手段については以下のように考える。3.1
「普及するほど国民高負担」の諦観を国民に定着させてしまった。
その証拠は戸建て住宅の実績をとっても、実際にソーラが載せられたのは可能な戸数の1/10以下である。
人間は地球という自然の一部であり、人間として本来あるべき「自産自消」を遠ざけた。
買い取り施策は日本の潜在技術力からも、自然エネルギーが普及することで、得意のコスト低減⇔量の拡大というサイクルを回す、加速力となるはずだった。
3.2
電力系統を広域化する公的資金の投入が遅れており、再生可能エネルギーの導入が制限されている。最近の報道では、電力の託送コストが約8円/kwhとあっては、分散電源普及で大きな制約と言えよう。ドイツなどでは急速なグリッド化に国家が力を入れている。
裏返せば原発や、大型火力などの集中電源は長距離送電が必要であり、実質コストは高い。
3.3
家庭や系統電力グリッドなどに適した蓄電装置を早急に配置すべきである。
非化石燃料由来などの水素等を含め、早期に全力で技術開発を促進し、クリーンで安全な電力の普及を進めなければならない。長距離高コストの送電そのものには付加価値はない。
以上の3点の是正と促進で、「再生可能エネルギーでベース電力の構築」すら可能になる。
3.4
原発は必要条件「S:安全」の項目でアウト。やめることが創造的破壊の好例である。
「見切り千両」で早くたたむことだ。「こだわって延命」は日本の脱皮成長の妨げとなる。
周りの国を見ても、もう決心の時だ。
3.5
ガス発電は環境問題は残るが、燃料自給は将来も不可である。
複合コンバインドのガス方式は、再生エネルギーの風力などが立ち上がるまでは、リリーフ役であり、小型のガスタービンは事業所の自前発電のバックアップ目的でも有用である。
3.6
石炭は高効率でも環境で不可(国際的に通用しない)でメインには出来ない。
日本は再び世界中から、化石燃料の確保に走っているが、あくまで化石燃料はショートリリーフである。
中国が風力、太陽光発電で世界一となり、石炭の消費削減を進める意味を考えたい。
日本が目先のカネを追う二流国と呼ばれるのは、本当にイヤだ。
江戸の町でも、どこにも自然の恵みを活用する天水桶があった。較べて今はどうなのであろう。
個人的には、度成長の時代をものづくりに携わってきた一員として、感慨と疑念がある。
それは製造業が、いつまでも「高い電力の被害者」を言い続けるべきなのだろうか?ということだ。
電力のコスト感度が高いなら、最適品質の電力を内製して、製造コストを下げようとしないのか?
☆日本でもトヨタ、コマツ、レンゴーさんなど立派な実績が伝わってくる。
「自然エネルギーを紛れもない資産として、実体に変える発想」を持ったときに日本は変わる。
(円安でお金はあるのだ! 海外に投資をするよりも、まずこの国だ)
すでに単価がグリットパリティを達成した先進国であるドイツや、国策で急進する中国から学ぶべきは真摯に学びたい。
市民も企業ももちろん、国家も勇気をもって「エネルギーの自立化」に挑戦しなければならない。
「食糧の自立化」はその先に必ずある。