「エネルギー(=電力)の自立」を考える
エネルギーの自立が国家の存立にとって重要なことは言うまでもない。資源国に対する過大な依存は犠牲が大きく、自立が国家の主要課題と考えれば、自給力向上こそ正念場と言える。
エネルギーの中で電力の占める割合は急速に増し、今や
「電力はエネルギーの原単位」と考えざるを得ない。あたかもなかなか替わることのない、ドル通貨に似ている。先の大戦後だけを考えても、国家紛争の大半が、根底において「エネルギーと通貨」にからんでいたことは言うまでもない。
エネルギーの確保において、資源としての有限性と自然環境に対する悪影響がクリアされれば、真の国際平和につながる。他愛のない「友愛精神」を夢見ることより、国際貢献としてもはるかに意味があろう。
一体この世の中に安全で、
「奪り合う必要のないくらいの量が担保されるエネルギー」がどこに存在するのか
?考えれば誰でも思いつくのが自然エネルギー(再生可能エネルギー)である。
一番最初にこんなことを考えたのは、社会人になったばかりの「オイルショック」の頃であった。いくら経っても、結局「喉元過ぎれば」で、真剣な努力は先回しされてきた。人間の性(さが)である。
電力
2012/1/5
「じゅげむ:寿限無」の世界
「じゅげむ」はもちろん落語で有名な「限りがない」ことである。この絵をみると、この位デカければ無限と言っても良い。
太陽が地表に降り注ぐエネルギーの大きさをオレンジの部屋が示す。
左に積んだ4つのサイコロが、風〜水のエネルギーのサイズを可視化している。
 現に世界中で消費しているエネルギーは、右下の隅にある。説明がなければ見落とす。
 新年だから大きな話でも許されるかも・・
出所:Eurec Agency「世界のエネルギー」 
電力
日本の高度成長を支えたのは水力発電網
1939年近衛内閣は電力の国家統制を目的に、日本発送電を作る。敗戦後1951年のポツダム令により9電力に分割され、現代に至る。「○○配電」という時代はあったが本質に変わりはない。
発電は大型水力が中心であり、ダムの立地から遠隔の需要地まで、野を越え山を越える送電線が発電所をつなぎ、
系統発電のエネルギーが戦後の復興から日本の高度成長を支えたと言って良い。
当時の巨大な佐久間ダムは技術の粋を集め、23万`hから発電を始めた。この時の記録映画は500万人(小学生の私は学校から)の日本人がこれを見る。

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